平成21年度の活動

  • 自立に向けた生活向上支援事業
  • 平成19年から準備、進行していたフィリピン共和国ナカル・カタブリンガン村での生活向上支援のための農園開設プロジェクトを本格的に始動しました。
    10月にはナカル町の町長および議会へ報告に伺い、事業推進の拠点として事務所兼用宿泊所をインファンタに設けました。ナカルも検討したのですが、安全性や利便性から隣町のインファンタに構えました。インファンタはトライシクルやオートバイも多く、またマーケットもあることから、総合的に判断しても活動には便利なところです。簡易ですが宿泊設備の予備も用意したのでボランティアツアーの企画も考えています。
    農園についてはカウンターパートのナカル農民組合と打ち合わせを行い、11月には荒開墾していた農園をフラットにするための準備と作業を実施。ナカル町が所有するブルドーザを2台借用し1haの土地をフラット化しました。
    平成22年1月には熱帯果樹専門家と土壌改良指導の専門家が現地入りし、ナカル農民組合員へ技術指導を行いました。 また、南ケソン州立大学からの要請を受け、農学を専攻する学生への技術指導も実施しました。
    大学生への講習会は4日間にわたり、大学構内においての講義を1日、残り3日間はナカル農園でのワークショップの予定で進行。内容は炭焼き技術と土壌改良法と急傾斜地での果樹や樹木の植栽についてで、1年生が30人、2年生も40人参加しました。農園でのワークショップにはナカル農民組合員と近隣農民が10人ほども参加して実施しました。
  • ワークショップはときどき襲う猛烈なスコールに悩まされましたが、学生たちの学習欲と熱意に支えられ順調に進み大学側の担当官にも感謝されるほどの成果を上げました。今後もボランティアとして農園の運営に参加してもらいながら、技術指導を継続していく意向です。学生たちの間から地域の農林業を担うリーダーが育つことを期待するものです。
    講習会終了後は、ナカル農民リーダー及び専門家と共に近隣の農園を視察。地域の栽培種、栽培方法、農園経営の実情を調査しました。なかでも、オーガニック農法を取り入れた農園は、炭を利用した肥料づくりを実践しており大変参考になりました。
ナカル町長と契約 ブルドーザーで整地 講議を聞く南ルソン大学の大学生
  • 2月には土壌改良専門家が現地入りし、炭、鶏糞、もみなどによる堆肥づくりを指導。さらに堆肥を使って農地造成作業を行いました。3月には再度堆肥をつくり、4月には現地スタッフ、ナカル農民組合メンバーにより、 堆肥の散布を行なっています。
    貯水地造成は、準備のためチエンソーをレンタルし、候補地にある倒木の処理を行ないました。
    農園造成は緒についたばかりで、次年度には農作物の栽培や果樹の植栽が開始できるようにする予定で作業を続けています。
メンバー及びスタッフで作業中 農地に造成中 堆肥づくりにバナナの葉を利用
  • 植林及び環境保全事業(フィリピン共和国ケソン州ナカル)
  • ナカルでは平成20年度にひき続き植林事業を実施しました。 農園開設地周辺および災害荒廃地にピリ、ナラの苗木を植林するものです。 5ヶ年計画で始めたこの植林は3年目にあたり、21年度は植林や農園作業をスムーズに進行するため炭焼き施設を内包する作業小屋の建設を計画し、 5月に小屋の建設を実施しました。
    また、平成22年1月には農園開設に携わるナカル農民組合によって植林を行いましたが、 南ケソン大学の学生の協力を得て比較的スムーズに実行することができました。 平成22年の春もピリ、ナラの植林を行う予定です。
作業小屋に屋根を設置 壁にはヤシの葉を活用 植林中